「抜け毛＝薄毛」と考えがちですが、実は抜け方の見分けが必要です。本来抜け毛は、毛髪が成長するために必要なプロセスのひとつです。悪い抜け毛ばかりではありません。良い抜け毛もあります。

ごっそり抜けた！と、思っても、実は髪にとって必要なプロセスかもしれません。
「良い抜け毛」「悪い抜け毛」の違いはなんなのか？

まずは「よい抜け毛」を、知ることからはじめましょう！

抜け毛は髪が育っている“あかし”

髪の毛は、皮膚の一部です。皮膚がターンオーバーを繰り返し、古い角質から新しい皮膚に生まれ変わるように、毛髪も成長と脱毛を繰り返します。

この一連のプロセスを「ヘアサイクル（毛周期）」といいます。

ヘアサイクル（毛周期）の流れ

髪の毛が成長する期間は、1本につき男性だと2～5年、女性は3～7年といわれています（※）。この間、髪の毛は１ヵ月に約１センチのび続けます。

ちなみに、一生のうち、ひとつの毛根から髪が成長できる回数は決まっています。むやみに毛根から抜いてしまうと、限りある成長の機会を失ってしまうことになります。

さらに、白髪をむりやり抜くことで、毛根が傷つき変形してしまい、そこから生える白髪がうねって目立ってしまったり、まわりの頭皮まで影響を受けて白髪になってしまうことも。

白髪や枝毛が気になるときは、必ずハサミで切りましょう。

（※）毛髪の伸びつづける期間は個人差も大きく、15～20年近く成長しつづける人もいます

毛根が細胞分裂をとめて角化をはじめます。2～3週間後に髪の成長は完全に止まります。

毛髪は、ただ頭皮に付着しているだけの状態になります。約3か月かけてじょじょに毛根が頭皮の表面に押し上げられ、脱毛します。

このサイクルで自然におちる抜け毛は、よい抜け毛です。正しく抜けた後は、また新しい毛髪が問題なくはえてきます。

一生にはえる毛髪の数は、母親の胎内にいるときから既に決まっています。

その本数は平均約10万本。休止期に入る髪の毛は、全体の約10％といわれています。

単純計算すると…

3カ月（休止期）で10万本の10％＝1万本、髪はぬける

この1万本を90日（3カ月）で割ると111本

つまり…

1日111本、髪は抜ける

ということになります。

シャンプーやブラッシング時に100本抜けていると、多いと感じるかもしれません。

でも正常なヘアサイクルによって抜けているのであれば、まったく問題はないのです。

一方、このヘアサイクルの休止期までたどりつけず、途中で抜けてしまった抜け毛は悪い抜け毛といえるでしょう。

良い抜け毛の毛根は、ふっくらと麺棒の先端のような丸みをおびているのに対し、ヘアサイクルの途中で抜けてしまった悪い抜け毛の毛根は、ひょろひょろとした先細りだったり、脂のかたまりなどの付着物がついています。

女性の抜け毛は、さまざまな問題が複合的に絡んでいることがほとんど。

その代表的なものがこちらです。

すぐにできる対策もあるので、ぜひ今日から試してみてください。

頭頂部をもんでみると、思いのほか硬かったり、痛みを感じることがあります。これはストレスや睡眠不足、運動不足、喫煙などで頭皮がピンと張りつめ、血行不良になってしまっているせいです。頭皮が固まってしまうと血液の流れも滞り、栄養素が毛根にとどきません。

強い薬剤のカラーリングやパーマを繰り返す、朝シャンを習慣的におこなう、静電気のおきやすいブラシでブラッシングするなど、頭皮にダメージを与えるヘアケアも抜け毛、薄毛の原因となります。

ダイエット、紫外線による頭皮の日焼け、急激な環境の変化などは、体にも心にも強いストレスです。とくに食事から良質なタンパク質をとることは、髪の健康につながります。しかし、外食やコンビニばかりの食生活、ダイエットによる偏った食事が多いと、髪の成長に必要な栄養素が奪われてしまいます。

また、環境の変化は悪いことばかりではなく、良いことでも体にストレスを与えます。心と体の回復には適切な睡眠が欠かせません。環境がかわるときほど、基本的な生活態度を見直してみましょう。

乱れたヘアサイクルを、正常化。

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